PWC(水上オートバイ)を使用した

レスキューについて

1.PWCとは? なぜPWCでレスキューをするのか?

■PWCとは「パーソナルウォータークラフト」の略称で日本では

・水上オートバイ 

・水上バイク

・マリンジェット(ヤマハ社製品の名称)

・ジェットスキー(カワサキ社製品の名称)

​・シードゥー(BRP社製品SEADOOの名称)

などと呼ばれるガソリンエンジンによるジェットポンプ推進を動力とした水上の乗り物です。

■PWC(水上オートバイ)の日本国内におけるイメージは普及しだした1980年代以降これまであまりよいものではありませんでした。一部ユーザーの騒音問題を始めとする低いモラルや毎年聞かれる事故などが全体のイメージを悪くしていたと思われます。

しかし本来はルールとマナー、そして自己管理が伴えば非常に楽しく優れた乗り物であり多くの人々を楽しませる事が出来きます。

現在ではメーカー、販売店、ユーザーを含めた諸団体が協力して様々な活動を行いそれぞれの地域でのイメージ向上やマナー向上、ルール作りなどの取り組みを行っています。

「シーバードプロジェクト」に関してもそれらの活動の一環でPWC(水上オートバイ)の高い性能を活かして社会貢献が出来ないかというコンセプトから、海外では救助船舶として公務機関等でも高い実績を上げているPWCレスキューの手法を取入れて全国各地で様々な活動を行っています。

 ※PWCレスキューは国内でも東京消防庁を始め各地の公務機関で採用されています

 ※下の動画はSEADOO社のPWCレスキューイメージ動画です(参考までに)

2.PWC(水上オートバイ)を一般的な船舶と比較した際のメリット

■一般的な動力付き船舶は船外にプロペラがあり要救助者への接近時などに回転するプロペラで怪我を負わせるなど危険性があ ります。しかしPWCの場合にはインペラーと呼ばれるスクリュープロペラは船内のジェットポンプケースにあり船外には露出していませんので、要救助者への接近時にも安全です(左イラスト)。 船外機などプロペラが露出する救助艇などではプロペラガードなどを設置しますが、やはり巻き込みなどの危険は伴います(右写真)。

■スクリュープロペラが船内ポンプケースにある事で浅い水域へ進入可能となり、砂浜の海水浴場やコンクリートスロープ(斜路)では波打ち際付近まで進入できるので海上で救助した要救助者の陸上への搬送や処置が素早く行えます。

■船体が小型であり、その場で旋回できる様な操作性もある事から係留船舶などで混雑した水域や港湾の奥まった場所などでも活動できます。

■PWCドライバーの座席及びレスキュースレッドからは水面が近いので要救助者に対してのアプローチが容易であり要救助者が浮いている状態であれば接近して直接手でつかみ救助する事が可能です。

■船体が小型で可搬性が高い事からトレーラーや小型トラックで陸上を搬送可能です。よって必ずしも母港を出発地とせず漁港などにもあるスロープ(斜路)から海へ降ろせ該当海域に近い陸上の地点から出発が可能です(島内の各地での活動が可能です)。

■モデルや搭載エンジンの出力にもよりますが穏やかな海域においては80kmを超えるスピードで航行が可能でこの速力を生かした迅速な活動が可能です。また搭載燃料も60リットル以上搭載できるモデルが多く海上で長時間の活動も可能になっています。

3.PWC(水上オートバイ)を一般的な船舶と比較した時のデメリット

■船体が小型でありスレッドを連結した場合にも一度に救助できる人数は大人の場合1~2名です(PWCの機動力を生かして陸上や母船との間をすばやく搬送する事である程度の対応は可能です)。

 

■PWCの操船は一般的な船舶や陸上の乗り物とは特徴が異なるために日頃から操船訓練、技術向上が必須です。

 

■小型船舶の検査上、PWCの航行区域は出発地点から沖合いへは2海里(約3.7km)、陸沿いについては出発地点より15海里(約27km)に制限されています。

■近年ではPWC同様にジェットポンプによる推進装置を搭載した写真の様な救助専用艇が出てきています。

定員や航行区域などがカバーされ、緊急時には船上での応急処置ができるスペースがあるなど、PWCレスキューの進化した形として注目されています。

4.レスキュースレッド(PWCレスキューにおいては必須の用具です)

■PWC(水上オートバイ)の艇体は一般的な船舶と比較して小さく、レスキューに使用するモデルもPWCの中では大型の部類ですが概ね3人乗りで跨る(またがる)タイプのシートがついています。

よって体力を失ったり、怪我をした要救助者や更には意識を失った要救助者を船上に引き上げてシートに座らせたり、高速で航行することはほぼ不可能です。そこでPWCレスキューではレスキュースレッドと呼ばれる浮力のある大型のボードをPWCに連結して使用します。

■レスキュースレッドはウレタンやFRPなど固形型やインフレータブル型で出来ており共に高い浮力を持ち合わせ水面に浮いた状態でPWCに連結固定されている事から要救助者を引き上げやすく、引き上げ後も寝かせた状態で高速の移動が可能になります。

   

■もともとハワイのライフセーバーが波にのまれ意識を失ったり、怪我をしたサーファーを迅速に救出する手段としてPWCを使い始めましたが、更にその後の試行錯誤の末に現在のレスキュースレッドの原型となる物が出来上がってからは救出のスピード、安全性などが飛躍的に向上したと言われています。

※下の動画は「C4」というレスキュー器具メーカーのスレッドを使用したレスキューイメージ動画です(参考までに)

5.ウォーターリスクマネジメント協会

■ウォーターリスクマネジメント協会(略称WRMA)とは2001年に発足した社団法人で、PWCレスキューについての正しい知識や実技などの講習活動を全国で行っています。その講習者の対象は公務救難機関、地方自治体、ライフセーバーなどで、勿論シーバードの各拠点の隊員も必修の講習となっています。

■シーバード隠岐の隊員は2014年6月のWRMA・PWCレスキュー講習受講時に9名全員(当時)がレベル1のレスキュードライバー&レスキュアーの講習を受けライセンスを取得しています。更に2016年7月のWRMA・PWCレスキュー講習で内4名がレベル2を受講したほか、新規で3名がレベル1を受講してそれぞれライセンスを取得しております。

                                                                    その他詳しくは http://www.geocities.jp/hawaiiansea2000/wrma.html

6.レスキューの理念

■私達シーバード隠岐の立場はあくまでも民間団体ですので、公務救難機関と同等の活動を行なう事は出来ません。しかし水上での救助活動については様々な危険を含んであり、正確な状況判断や自身の立場からの対応を行わなくてはいけません。よって私達は上記のウォーターリスクマネジメント協会から最も大事にするべきはセルフディフェンス(自身の安全の確保)であると指導を受けております。

よって自身の安全を確保できる状況下においてはじめてレスキューの以下4原則(4S)に基づいた救難活動を行うようにしています。

 SIMPLE/シンプル・・・・・ トレーニングをつみシンプルなレスキューを心がけます

 SAFETY/安全第一・・・・ レスキュアーを含め全ての人の安全を考え行動します

 SURELY/確実性・・・・・  要救助者の確実な救助を行なう為、不確かな要素を省き、確実性を高めます

 SPEED/スピード・・・・・  PWC(水上オートバイ)の利点を活かして上記を踏まえながら迅速な活動を行います

7.PWC(水上オートバイ)を使用したレスキュー活動を行っている主な機関、団体等(順不同)

 

■日本国内でも毎年200名以上のPWCレスキュー資格取得者がおられるそうで、受講者の90%は公務救難機関に所属される方のようです。

 ・海上保安庁

 ・東京消防庁、各地の消防署

 ・警察

 ・自衛隊

 ・地方自治体

 ・ライフセーバー団体、民間の団体(PWC愛好家、販売店など)

 ・青バイ隊、シーバードの全国各拠点

 

 ※動画サイトYouTubeにて

 「消防 水上バイク 水上オートバイ」

 「PWC レスキュー」]

 「PWC SAR」 (SAR=サーチアンドレスキュー)

 と検索してみて下さい。様々なPWCレスキュー訓練等の動画を見ることができます。

 

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